禁じられし扉 第14話

「ノスチーヌ候、気を悪くしないでくれ・・・。セーナはこの国をとても愛しているだけなのだ。だからヴァラベル国のことを・・・」
セーナが荒々しく部屋を出て行った後、国王はノスチーヌ候と会談をしていた。その場でセーナの態度を詫びた。
 「いえいえ、お気になさらないでください。セーナ様の言うことはごもっともでございます。このシャトゥーム国は本当に美しいお国でございます。セーナ様がとても誇りに思っていらっしゃると言うことがわかりました。」
ノスチーヌ候は国王にそう言うと、胸ポケットから封筒を出し国王に渡した。
 「国王陛下。これは、我がヴァラベル国王から預かってまいりました親書でございます。」
 「ヴァラベル国王からの親書?」
国王はノスチーヌ候から親書を受け取り、開いた。
 「・・・こ、これは!?」
国王はその親書を読み驚いた顔でノスチーヌ候を見た。するとノスチーヌ候は頭を下げて言った。
 「・・・どうか御内密にお願いいたします。わが国でも最重要機密ですので・・・。」
国王は再び親書に視線を落とし、最後まで読んで顔を上げた。
 「ノスチーヌ候・・・申し訳ないが受け入れることはできない。」
国王は親書をノスチーヌ候に返して続けて言った。
 「ユーリはまだ15歳だ。」
 「はい。承知いたしております。」
ノスチーヌ候が親書を受け取り国王に言った。
 「・・・なぜ、ユーリなのだ?」
 「・・・それは・・・」
ノスチーヌ候は言葉を詰まらせた。
 「ノスチーヌ候!!理由を述べてもらわねばこちらとしても・・・」
 「ごもっともでございます。」
国王の言葉を遮ってノスチーヌ候は言った。
 「ロッソ国王がユーリ様をと・・・」
 「ティナー王妃がいるではないか!!」
国王が声を荒げるとノスチーヌ候は両手を出して国王を宥めた。
 「お、落ち着いてください。説明いたしますので・・・」
そう言うと国王は大きく息を吐いて、椅子に深く腰掛けなおした。
 「実は、これは我がヴァラベル国でも公表することはない内容なのですが・・・ティナー・マグレットはすでに王妃の位を剥奪されております。そして、レイン王太子も王太子の位を剥奪される可能性があるのです。」
 「・・・。」
ノスチーヌ候の予想外の話しに国王はただ聞いていることしかできなかった。
 「理由は私も存じておりません。しかし、ティナー・マグレットは王妃ではなくなっていることだけは確かでございます。」
 「・・・王妃がいない・・・だから・・・ユーリを・・・と?」
国王は必死に声を絞り出した。あまりの内容に動揺を隠すことができなかったのだ。
 「はい。ユーリ様をヴァラベル王妃にと。」
ノスチーヌ候の冷静な声に国王は頭を抱え、そして首を横に振った。
 「まだ15歳の我が娘を今年48歳になるヴァラベル国王の妃になど・・・そんなこと受け入れられるわけがない!!それに・・・ユーリも拒むに違いない!!」
 「そうですか・・・。」
するとノスチーヌ候は胸の内ポケットからある写真を取り出し国王に渡した。
国王はそれを見ると青い顔して椅子から勢いよく立ち上がりノスチーヌ候を見た。
 「ど、どういうことだ!?何故・・・」
するとノスチーヌ候は不敵な笑みを浮かべて言った。
 「こちらの要求を呑んでいただけますね?」
 

side menu

肉球 プロフィール

Author:sefiria
個人的偏見をそのままに、色々なお話を製作中。

肉球 最近の記事

肉球 最近のコメント

肉球 最近のトラックバック

肉球 月別アーカイブ

肉球 カテゴリー

肉球 ブロとも申請フォーム

Powered By FC2 blog
ホームページ アフィリエイト レンタルサーバー
FC2ブログ 専門学校

【Template】
FC2blogの着せ替えブログ
【Illustration】
オレンジジュース100%

side menu

肉球 ブログ内検索

肉球 RSSフィード

肉球 リンク

肉球 Powered By FC2ブログ